本紹介・解説(失敗の本質)

本の紹介をします。

今日は「失敗の本質 日本軍の組織論的研究(中央公論新社)」です。

この本は、太平洋戦争の間に起きた6つの戦いを分析し、なぜ日本軍は敗北してしまったのかを考察しています。それぞれの戦いを順番に説明するため、この本の紹介も6回に分けようと思います。

 

ちなみに、この本で取り上げられている戦いは以下の6つです。

ノモンハン事件

・ミッドウェー作戦

ガダルカナル作戦

インパール作戦

・レイテ海戦

沖縄戦

 

では、今回は「ノモンハン事件」の章を説明していきます。

ノモンハン事件とは、昭和14年(1939年)の5月~9月に起きたソ連との戦いです。この時期はまだ太平洋戦争が始まっていませんが、日本軍の典型的失敗をこの戦いにもみることができるので、紹介されています。この戦いは日本の外交方針にまで影響を与えた大事件です。事件の詳細は省略しますが、気になる方は youtube などに多くの解説動画があるので参考にしてください。

 この戦いで日本軍が敗れた要因は敵勢力の軽視にあるといえます。日本軍は敵の情報収集を怠っていた上に、ソ連軍はそこまで大規模に準備していないだろうと勝手に予想しておりました。実際のソ連軍は砲兵などの火力を大量に配置しておりました。そのような場所に日本軍は銃剣による白兵戦を中心に仕掛けていき、結局返り討ちにあってしまいました。

 また、中央部と現場の間にも認識のずれがありました。当時、軍の中央部は、不用意な戦線拡大はしたくないと考えていました。しかし、その内容を現地に具体的に指示していませんでした。現場のことは現場に任せるという風潮があったためだそうです。一方で現地では、相手に一撃を加えることで敵が不用意に自分たちの陣地にやってこないようにすべきと考えておりました。結局、現場は独断に近い形でソ連との戦いを始めてしまい、結果として敗北してしまいました。

 相手の実力を見誤って敗北するというケースはよくある出来事だと思います。やはり事前の準備が大切になってくるということをこの戦いからも学べると思います。また、司令部と現場は距離が離れてしまいがちなので、コミュニケーションを密にとることも大事になってくると思います。

 今回は以上です。次はミッドウェー海戦に関する説明を行います。

 興味を持った方は下記にリンク先を貼りましたので、参考にしてください。

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