任天堂がシンガポールに子会社を設立したらしい。スイッチ2が爆売れ中で勢いづく任天堂、ついに南国の地にまで旗を立てたというわけである。これからは東南アジア市場の攻略に本腰を入れるとのことだ。
しかし、よく考えたら意外である。あの任天堂が、これまで東南アジアに拠点を持っていなかったとは。世界中でマリオが走り回り、ピカチュウが「ピカッ」と鳴きまくっているのだから、てっきりどこにでも任天堂のオフィスがあると思っていた。もしかすると、今までは「オンラインで全部売れるから現地オフィスなんていらんやろ」という、発想だったのかもしれない。
だが、今回の子会社設立にはきっと深い理由がある。単なる「現地法人ブーム(?)に乗った」わけではない。たぶん、現地のプレイヤーたちの“リアルな声”を聞くためだろう。「マリオがバク転するときにもうちょっとスパイシーな演出を」とか、「ピーチ姫をもっとトロピカルに」とか、文化に根ざしたニーズをつかむことが、今後の世界戦略のカギになるのだ。
とはいえ、気になるのはやはりお金の話である。海外拠点って、作るのも維持するのもお金がかかる。京都の本社から「これ、ほんまにペイするんか?」という声が飛び交ったに違いない。だが、任天堂はきっと損得計算を徹底的にやった上でGOサインを出しているはずである。Switchを超える新ハードの売上予測や、東南アジア市場の成長率、現地人のマリオカート熱まで、細かくシミュレーションしていそうだ。
結局のところ、「現地の空気を知る」ことが何より大事なのだろう。屋台のにおい、通りの喧騒、子どもたちが放課後に何をしているか——そういう“データに出ない情報”が、次のゲーム開発のヒントになる。そう考えると、任天堂のシンガポール進出は、単なる経営戦略ではなく、“リアルとバーチャルの融合”なのかもしれない。
やはり、拠点って大事である。世界の遊びを作るには、まず世界の空気を吸うことから始まるのだ。
参考情報