コーヒーについて(2)
前回、日本でのコーヒーの消費量が増加している件について、疑問を抱いたので仮説を立てて調査をしました。今回は調査がまだである仮説について調べたいと思います。
前回において、以下の仮説を立てました。
仮説1:日本人が、コーヒーなどのし好品にお金を回せる金額が増えたから
仮説2:コーヒーの単価が下がったから
仮説3:日本の景気が実はよくて、消費量が増えるのは当たり前だから
このうち、1については可処分所得の年次推移を調べ、その結果、可処分所得は増えておらず、仮説1は正しくないだろうという結論に至りました。
今回は仮説2について調べたいと思います。
仮説2は次のような理由でコーヒーの消費量が上がっていると考えます。
コーヒーの原価が下がる
↓
コーヒーの値段(単価)もそれに応じて下がる
↓
結果としてコーヒーが安くなり、多くの人が購入する
↓
コーヒーの消費量が増える
この仮説を検証できるデータを探したところ、次のようなデータを見つけました。
この画像は、日本におけるコーヒー豆の価格の推移です(2020年の価格を100としています)※1。このデータを見ると、多少上下しているものの、コーヒー豆の価格は年々減少しているように見えます。コーヒー豆の価格が下がれば、コーヒー自体の値段も安くできると予想できるので、このデータは仮説を説明できると思います。
一方でこんなデータも見つけました(※2)。
これをみると、コーヒー豆(アラビカ種)の価格は、2000年以降上がっているではないですか!
日本での価格推移とは逆の関係にあることが読み取れます。なぜそうなっているのかを考えたとき、2つ目のグラフはドル表示になっていることに気づきました。そこで、為替レートが関係しているのではと思い、レートの推移を調べてみました。
上記の為替レートを見ると、2000年から2012年にかけて、円高方向にレートが推移していることが分かります。この期間において、ドル表記における、コーヒー豆の価格は上昇していますが、日本でのコーヒー豆の価格は下がっています。この結果から次のように考えられると思います。
「世界規模ではコーヒー豆の価格は上昇していたが、日本は円高状態であったため、円高による影響の方が大きくなり、結果としてコーヒー豆の日本での価格は安くなった」
もう一度説明すると下記のようになります。
2000年~2012年にかけて円高になった
↓
円高になることで外国の製品(コーヒー豆)を比較的安く買うことが出来た
↓
安くコーヒー豆を調達できたため、飲み物としてのコーヒーも安くすることが出来た
↓
多くの人が安くなったコーヒーを飲むようになり、消費量が増えた
まとめ
日本でコーヒーの消費量が増えてきた理由について、仮説2の検証をしてきました。データから仮説2は妥当なものである可能性が高く、コーヒー豆の値段が安くなった言葉消費量増加に影響していると推測します。
また、まだ仮説3の検証が残っているので、これについては今後調べて報告します。
参考文献
※1:https://jp.gdfreak.com/public/detail/jp010050006070101229/3
※2:https://ecodb.net/commodity/coffee_arabic.html
※3:https://lets-gold.net/chart_gallery/chart_usdjpy_long_term.php