本紹介(ジョーカー・ゲーム)
今回は柳広司 著「ジョーカー・ゲーム」を紹介します。アニメにもなっている作品です。
この本は大日本帝国時代の陸軍スパイを舞台とした小説です(念のため断っておきますが、フィクションです)。スパイに関する内容なので、登場人物の他人との駆け引きなどが面白いところです。また、この本ではまず、ある人物がスパイの養成学校を設立するところから話が始まるのですが、スパイの定義が日本陸軍の文化と相反する内容となっているのが面白いです。具体的には、スパイとは自身の存在を周囲に気づかせてはならず、よって自殺や殺人は最も行ってはならない行為である、としています。一方で陸軍の考えは、自分の存在がばれそうになったら自殺するかあるいは殺して情報が漏れないようにするべきと考えております。スパイ学校の特異性を目立たせるためにこのような記述を取っているのだと思います。
登場人物が経験する出来事に対し、どのように対処するのかに注目して読むと、勉強になります。もっとも、スパイという特殊な事情を経験することはないと思いますが…。ただし、置かれた状況下で手に入れた情報をもとに、立ち回り方や、打開策を考えていくプロセスは面白いだけでなく、勉強になると思います。
興味を持ちましたら、下記にリンクを貼っているので、本を手に取ってみてください。
